30年来何十頭も犬を飼っていた犬をこよなく愛すおばちゃんがなぜか一羽の小さなふくろうを迎えたことから物語は始まる。

最愛の犬を亡くしペットロスの真っ只中通りがかったペットショップに並ぶ愛らしいキレイな鳥たちの中に一羽、ひっそりと身をひそめる地味な色の鳥に心を奪われた。

家に帰ってからもその鳥の「殺し屋」のような眼差しが忘れられない。

家族からはもう犬は飼ってはいけない！とキツく言われている…だから鳥なら大丈夫か。

早速迎えるために向かったペットショップ。そこで数々の驚愕の事実？が。

その鳥のエサは鳥！！

その鳥のオヤツはネズミ！！

その鳥は脚を縛られバーチという鉄に繋がれている！！

その鳥は懐かない！！

その鳥は逆さまになったら死ぬ！！

その鳥はストレスで死ぬ！！

……めまいがした。飼うのやめようと思った…

飼育をはじめた頃は毎日が不安と恐怖との戦い。

大事に思えば思うほど悩みはつきない。相談する場所もなくストレスで不眠に悩まされながらも試行錯誤を繰り返す。

そして数々の困難を乗り越えペットショップで聞いた情報のほとんどが無知による間違いだと気づく。

ふくろうのその自立した個性と凛とした佇まい

野生の厳しい瞳を見せたかと思えば遊ぶ時の愛らしい表情や甘える仕草。

気づいたら10羽を超えるふくろうと暮らしていた。

もし工夫もせずペットショップで聞いた知識のまま育てていたら飼育は苦行でしかなかっただろう。

しばらくするとふくろうブーム到来。ペットとして迎える人が増えてきていた。

これは大変！間違った情報で当初の私のように「悩んでる人が必ずいる！」

そう思ったその日からふくろうと人との幸せな生活のために

自分の経験がいかせるのならこれからお迎えする人やすでに手に余してる人のお手伝いができる

この独特な個性を持つ鳥がとりもつ新しい人と人とのつながりを楽しみ

「ふくろうのいる森カフェ」は誕生した。

ふくろうを愛する心がこの子達のふるさと、野生のふくろうの住む世界中の森へと心をはしらせる。

本来ならその深い森でひっそりと時には大胆に暮らすこの鳥を想うとみんな胸が熱くなる。

ふくろうは私と人をつなぐ。

ふくろうは私達と森をつなぐ。